年配の人間にすれば、今の世の中、すっかり逆だ。
二昔や三昔前なら、うかつに
「人の役に立ちたい」「社会のために働きたい」
なんて言おうものなら、
「お前、本当に思っているのか」「嘘つけ」
などと、非難、罵声を浴びせられたものだ。
何をするにも、まず自分のため
それが原則ではないか。
生きていくのに金がいる。だから働く。
人よりも金持ちになりたい。だから自分のできる何らかの世界で有名になる。
ところが今は、
「人に感動を与えたい」なんて言葉を
耳にタコができるくらいに聞かされてしまう。
企業なんかも、世のため、人のため、地球のためなんて平気で言うし、
それを言わなければイメージが下がる、かのような風潮。
本当にそうか。
基本的には私企業はどれも「営利企業」のはずではないか。
世の中バラ色スローガン、
道行く人は、みな善人で正義の味方。
ところが、そういう時代のはずが、
些細なことで炎上し、イジメはエスカレートするばかり。
正義や理想を説かれると、真正面から「ノー」とは言えない。
人が生きにくくされている。
みんながみんな、真綿で自分たちの首を絞め合って…
そりゃあ、おかしくなるはずだ。
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